高気密高断熱の住宅なら床暖房はいらない?
足元からじんわりと暖めてくれる床暖房ですが、高気密高断熱住宅にはいらないという意見がよく挙がります。
高気密高断熱住宅は気密性も断熱性も優秀であり、エアコンだけで十分に暖まると考えられているからです。
果たして、高気密高断熱住宅に床暖房は本当にいらないのでしょうか。
一緒に考えてみましょう。
□床暖房にはどんなメリットとデメリットがある?
高気密高断熱住宅に床暖房がいらないかを考える前に、まずは床暖房の機能面についての善し悪しを明らかにしておきましょう。
*床暖房のメリット
床暖房のメリットは以下の通りです。
・足元からじんわりと暖まる
・空気が乾燥しにくい
・火を使わない
・場所を取らない
暖かい空気は軽く上に行く性質があるので、冬場は足元が冷えやすいですよね。
その点床暖房は、足元から熱を発して空気を暖めていくので、その空気が上に行くことで部屋全体が一定の温度で暖まります。
エアコンのように風を使わないので、空気が乾燥して喉が痛くなることもありません。
お部屋を安全に、冬場でも効率よく暖められるのは床暖房だけです。
*床暖房のデメリット
床暖房のデメリットは以下の通りです。
・全体が暖まるまで少し時間がかかる
・床に物を置く時に注意が必要
・定期的にメンテナンスする必要がある
・設置費用が高い
床暖房は、家を構成する大きな1つの設備となります。
そのため、設置費用はそれなりに高いですし、定期的なメンテナンスも必要です。
床暖房の性質上、全体が暖まるまでは少し時間がかかり、床にものを置く時も注意しなければなりません。
□高気密高断熱住宅に床暖房はいらないのか?
高気密高断熱住宅は元々の性能が良いので、エアコンだけで十分に暖まるといわれています。
これが高気密高断熱住宅に床暖房はいらないといわれる所以なわけですが、エアコンだと足元まで暖まるまで少し時間がかかるのは事実です。
床暖房だけだと全体が暖まるまで少し時間がかかるのですから、組み合わせて活用してみるのはどうでしょうか。
エアコンで部屋全体を素早く暖めつつ、床暖房で足元からじんわり暖めれば、すぐに快適な温度にできますよね。
そのため、高気密高断熱住宅に床暖房はいらないとは言いきれないと考えられます。
となると、部分的に床暖房にするか、全館床暖房にするか、という点で悩むことになりますが、おすすめは全館床暖房です。
なぜなら、部分床暖房だとコールドラフトと呼ばれる、他の部屋や階からの冷たい空気が流れ込んでくる現象が起きてしまうからです。
快適性とコストパフォーマンスを考えても、全館床暖房にすることをおすすめします。
高気密高断熱住宅であれば、すぐに全体が温まりますからね、電気代が極端に高くなることもありません。
□まとめ
今回は、高気密高断熱住宅に床暖房はいらないのか、という観点からお話しました。
床暖房とエアコンは、組み合わせることで双方の欠点を補い合うことができます。
高気密高断熱住宅だからこそ、両方を組み合わせて快適な住環境を実現しましょう。