パッシブデザインの家が冬でも暖かいのはなぜ?理由とそのメリットを解説!

安城016_R.jpg
パッシブデザインのコンセプトは自然エネルギーの活用だけではありません。
自然エネルギーを活用して「快適な空間を実現する」までがコンセプトになっています。
そこで今回は、パッシブデザインで実現できる快適な空間の1つである「冬でも暖かい家」について、その理由とメリットを解説します。

□パッシブデザインの家が冬でも暖かい理由とは?

パッシブデザインは主に5つの要素で構成されていますが、その中でも「日射熱利用」、「自然風利用」の要素は冬場の寒さの解消につながります。

*日射熱利用

日射熱利用は大きく「集熱」、「断熱」、「蓄熱」に分かれ、それぞれレベルを高くすれば暖房器具を利用しなくても暖かく生活できるとされています。

集熱のポイントは、南向きの窓です。
大きくすれば室内に取り込める太陽熱は増えますが、窓は壁よりも断熱性能が低いので家全体の断熱性に影響します。
窓の大きさだけを考えるのではなく、窓が真南を向いていること、9~16時の間に太陽熱を受ける窓を確保することを意識すると良いでしょう。

断熱は、パッシブデザインの要素の1つです。
ただし、ただ高い断熱性を求める屋根や壁とは違い、窓部分は集熱とのバランスも考えなければいけません。
断熱性能の高い窓、シェードやカーテンの利用も選択肢に入れて、集熱と断熱のバランスをとると良いでしょう。

蓄熱は、昼間に集熱した熱を夜まで室内に保つことです。
木造よりコンクリート造のほうが高い蓄熱能力を持つので、太陽熱を受ける床や壁のみをコンクリートにする方法もあります。

*自然風利用

自然風利用による空気循環は、家全体の温度を均一にします。
集熱により暖められた空気が2階へ届き、その分、少し暖かい空気が下に下がってきます。
パッシブデザインにおける自然風利用は夏の涼しさや換気においても重要ですが、家全体の風の通り道を考える設計は冬場の空気循環においても役立っているのです。

□冬でも家が暖かいメリット

パッシブデザインの家は冬でも暖かいという特徴がありますが、このことは暖房器具の使用量が減り光熱費が削減できるほかにも多くのメリットを持ちます。

*体感温度が上がる

体感温度は室温とは一致しないことがほとんどです。
その理由として、壁や床の表面温度が低いことが挙げられます。
しかし、パッシブデザインの断熱性能によって壁や床の表面温度は暖かく維持され、その結果、体感温度も高くなります。

*健康リスクを低減できる

家全体の温度を一定に保つことは、部屋ごとの温度差によるヒートショックを防ぎます。
屋外と室内の温度差によって起こるカビの発生、それによるアレルギーのリスクなど、他の健康リスクも低減できます。

□まとめ

パッシブデザインの家は日射熱利用と自然風利用による空気循環によって、冬でも暖かい快適な空間を実現できます。
また、冬の家が暖かいことは体感温度の上昇や健康リスクの低減にもつながります。
1年中快適な家で過ごしたい方は、省エネ以外にもメリットがあるパッシブデザインの家を選んでみてはいかがでしょうか。

PageTop