パッシブデザインに補助金は適用できる?他の省エネ住宅と比較して解説
省エネを目指した建築設計で、パッシブデザインは近年注目を集めています。
しかし、パッシブデザイン向けの補助金制度は整備されておらず、補助金を受けるためには、他の省エネ住宅の要素も考えて条件を満たす必要があるのです。
そこで、今回はパッシブデザイン以外の省エネ住宅と補助金制度について解説します。
□パッシブデザインと何が違う?他の省エネ住宅について
パッシブデザインとは、自然エネルギーを最大限活用して1年中快適に過ごせるような設計デザインのことを言います。
パッシブデザイン以外にも省エネ住宅はあり、似たような概念ですが、それぞれに特徴があります。
*パッシブハウス
パッシブデザインの住宅の中でも、認定基準を満たした住宅をパッシブハウスと言います。
ドイツ発祥のパッシブハウスは基準が厳しく、日本国内で認定されている家は20棟程度だとされています。
*ZEH(Zero Energy House)
ZEHは、太陽光をはじめとした再生可能エネルギーによる発電量が、住宅でのエネルギー消費量と同等以上の住宅のことを言います。
パッシブデザインは発電を手段としていませんが、ZEHの基準を満たすためには高気密・高断熱のパッシブデザインであることも重要です。
*スマートハウス
スマートハウスは、再生可能エネルギーによる自家発電、HEMS、IoTの力で空調や照明を自動で最適化する住宅のことを言います。
パッシブデザインと同様に快適な居住空間を目的としていますが、空調コントロールは自然エネルギーによるのではなく、住宅設備のIoT機能によるものです。
□パッシブデザインの家で受けられる補助金
パッシブデザインの住宅向けの補助金はありませんが、パッシブデザインに加えて追加の条件を満たせば受けられる補助金はあります。
1.ZEH支援事業
ZEHの購入や改修などで、補助金を受けられます。
基本のZEHだけではなく、ZEH+や次世代ZEHなど、性能要件によって補助額が上下します。
2.地域型住宅グリーン化事業
省エネ性能に優れた新築の木造住宅の購入で、補助金を受けられる制度です。
補助額は最大150万円で、長期優良住宅や低炭素住宅に認定されていることが求められます。
□まとめ
省エネ住宅にはパッシブデザイン以外にも、厳しい基準を満たしたパッシブハウス、ZEH、スマートハウスなどがあります。
自然エネルギーを活用して省エネを目指すことは共通していますが、省エネを目指す手段がそれぞれ異なります。
中でもパッシブデザインは他の省エネ住宅にも欠かせない設計デザインであるので、補助金を受けるためにも他の省エネ住宅の条件を考慮して設計するのも選択肢の1つです。